令和元年 川崎紫明 音符ビッツ フェスティバル 開催レポート

フィリアホール

2日目

音符ビッツの真髄に触れる

午前10:00、研修開始。

四宮香子先生より音符ビッツ教材のご紹介を経て、午前中のメイン、川崎紫明先生の「音符ビッツピアノセミナー〜1本指からのピアノ指導法」のスタートです。

冒頭、先生の孫、四宮伶嗣さんは0歳から音符ビッツで育ちました。今、藝高3年生となり、藝高の先生方や各種コンクールなどで、「なぜこんなにできるのか?」と話題になっているとのお話がありました。

0歳からの脳発達

先生が0歳からにこだわるのには、脳科学が解明した視覚と聴覚の臨界期(感受性期)に理由があります。聴覚の臨界期が0歳から始まるのに対し、視覚は少し遅れて臨界期が始まります。従来は「読みは視覚が発達してから」というのが通説でした。しかし、「臨界期」という点で見ると、聴覚は6歳までに対し、視覚は4歳までととても短い。「視覚が発達してからでは遅い」と紫明先生は考えたのです。

音符ビッツメソッドによる「視覚と聴覚の統合学習法」は、単独よりも脳を6倍活性させ、その統合は、生後8ヶ月から始まります。つまり、紫明先生は、この0歳児に始まる「視覚と聴覚の統合」期こそ、音楽の学習に最適な発達段階だと考えているのです。

1本指からの音符ビッツピアノ1

『1本指からの音符ビッツピアノ1』は、長年、「音符ビッツからピアノにつながる教材が欲しい」という全国から寄せられた声を元に、昨年6月に出版されました。

そこで大事にしているのは、「手のフォーム」を身に着けることです。「手のフォーム」が身につくということは、効率が上がるということ。3歳の子供が自分で先生の手をしっかり見て真似をする、その絶大な効果を紫明先生はどの子を指導していても驚くほど感じるとお話くださいました。

「手のフォームのための骨の構造」

紫明先生は2年前に入院された際、理学療法士の方との対話から、研究へ大きなインスピレーションを受けました。その1つが、手のひらに並ぶ8つの骨「手根骨」を知ったことでした。

この8つの骨は飲み物の蓋を開けたり、ものを握ったり、生活の中でとてもよく動いています。ところが、ピアノのレッスンにおいては、この骨があまり動かせていないということに紫明先生は気づきました。

「普段は“はい手首を安定して”なんて言っても知らん顔しているようなイタズラ盛りの男の子に“ここに8つのお豆ちゃんがあるのよ”と言うと、目をキラキラさせます。お父さんまで、“え! ここに8つの骨ですか。すごいですね先生!”と一気に興味津々になるんです」(紫明先生)

子供たちの手首はまだフラフラしていますが、手首が安定すると自由に指が動かせるようになります。そのため、初歩から手首をしっかり使いながらレッスンをしているとのお話でした。

川崎式 1本指からの指導法

次に、実際に手を動かしながら「川崎式 1本指から手のフォームを作る」を指導していただきました。「肩を落とす、肘を落とす、手首を安定させる」これら3つの要点が美しい手のフォームの条件に欠かせないそうです。2の指1本から始め、次のステップで3本に増やしていく手法は、とても自然的でかつ効果があるということは驚きでした。

3歳児模擬レッスン

受講生の中から藤田先生が3歳の子供になりきって、紫明先生の模擬レッスンを受けることに。

紫明先生のユーモアを交えた解説を聞きながら目の前でテンポよく進んでいく模擬授業。先生方は熱心にメモを取り、会場の集中が高まっているのを感じました。

レッスン動画の上映

ここで、『音符ビッツピアノ1』のレッスン風景をビデオで視聴しました。

『音符ビッツピアノ1』で授業の導入をじっくりと実施したのち、モーツァルトのソナタハ長調の指導へ。曲の中に、「川崎式なぞるビッツ」「あがる、さがる、やま」を探させ、「なぜ『音符ビッツピアノ1』をいつもレッスンの前にやるか、わかる?」と問いかける紫明先生。

普段の音符ビッツの学習とモーツァルトの間に意識がつながると、演奏が格段に違ってきます。1回ごとにぐんぐん良くなっていく紫明先生の魔法のレッスンに、会場からは驚きと感心の眼差しが向けられました。

上映後、紫明先生からは、繰り返し指導を重ねていく重要性や、やんちゃな生徒さんを指導する際のコツなどを伝授していただきました。

音符ビッツピアノ体験にあの方が……

続く体験コーナーでは、ベヒシュタインピアノの戸塚亮一会長が指名され登場。ドイツ赴任時代、三十数年間見聞したドイツの自由な音楽教育のお話にググッと引き込まれる会場の先生方。「私は全くピアノが弾けませんので」とおっしゃる戸塚会長でしたが、1本指のレッスンを無事に終了されました。

午後は音符ビッツの復習でスタート

四宮香子先生のリードで、めくり方練習、音符ビッツメロディー「歌う」「速読」リズムビッツと次々に進められ、熱心に参加する先生たち。

音符ビッツのスイッチが入ったところで、3人の先生による音符ビッツ実践の経験と学びのプレゼンテーションへ。

特効薬音符ビッツ

トップバッターとして発表されたのは横浜でお教室をされている宮地佳代先生。音符ビッツをレッスンに導入したことで、お教室は激変したそうです。生徒さんたちの手のフォームが劇的に変わったとのこと。「手の形は?」と声をかけるだけで直る子もいるそうです。

子供と先生が一緒になって楽しく遊び感覚で学習できるので、子供は音符ビッツを喜んでやる、やるごとに速読の成績も伸びていく、先生に褒められるからさらに熱中してやる。そんな良いサイクルが出来上がり、教室をやめる子がいなくなったということでした。

宮地先生はこの効果をさらに研究し、その秘訣が、「楽しい遊び感覚」「同時処理能力の強化」「扁桃体のゆさぶりにより長期記憶へ」という3つの脳内革命作用によるものだと発表。その作用を促す教材が「音符ビッツ」であると。

「もっともっと、研修会などで先生方とアイデアを共有していきたい」とお話されたのが印象的でした。

川崎紫明 音符ビッツ 東海ツアー 体験報告

2018年2月から8月の半年間、東海地区4箇所(愛知県一宮会場と津島会場、三重県は四日市会場、岐阜県の高山会場)で独自に行ったツアーイベントについて、7名の先生方を代表し、服部由己先生が発表してくださいました。

7名の先生たちは、横浜で開催されるイベントやワークショップにも参加を重ねて来られました。そのなかで「自分たちでもイベントをやろう」と東海ツアーの企画が立ち上がります。

決めた方針は「それぞれの先生の地元で、体験会イベントを行う。事前準備は地元の先生が中心となり、他のメンバーは当日応援スタッフとして参加する」というものでした。

いずれの会場でも体験会として新規入会につながったことに加え、発表に向けて生徒たちのモチベーションが上がり、自分たちの勉強にもなったとのこと。地域の特性を汲んだ演出の工夫なども共有いただき、聴講する先生方は熱心に耳を傾けました。

「個人でできることは限られているけれど、7人の先生が集まったからこそハプニングも乗り越えチャレンジすることができました。今後も新たなツアーを行っていきたい」というまとめのお話で発表を締めくくられました。

幼児園での川崎紫明 音符ビッツの取り組み

発表の最後は本部校の四宮香子先生、片山ひろこ先生による、横浜市の幼児園での「アサフ音楽院 音符ビッツ選択クラスの授業について」でした。

きっかけは5年ほど前。そこはアサフ音楽院のクリスマスコンサートの際に近隣の幼稚園に招待状を送ったうちの1校でした。園長先生が紫明先生の脳科学の話に興味を示され2人は意気投合。1ヶ月という異例の速さで授業がスタートしたそうです。授業は選択クラスで、生徒数は当初45名からスタートし、現在100名を超えています。

片山先生からは、年間カリキュラムの構成をシェアいただき、また、教室での指導風景をまとめた動画上映を通して、具体的な指導の様子を見せていただきました。

「どの子にも、自分にもできる、というものが音符ビッツには必ずあります。シンプルな教材なので養成講座で習ったバリエーションや、講師自身で工夫する楽しさもある。子供たちから“明日も音符ビッツある?”“音符ビッツ大好き”なんて言われることもあり、幼児園で音符ビッツを教えるのは勉強になり楽しい毎日です」(片山先生)

クリスマスコンサートの招待状から始まった広がりに、音符ビッツの大きな可能性を感じた先生も少なくなかったのではないでしょうか。

自由研究、Q&Aコーナーから終会へ

さらに、養成講座3年目の横浜・高野ユミ先生よりご自身の編著作と「音符ビッツ」の関連性への気づきについて発表がありました。

Q&Aコーナーでは、「まだ指がしっかりしていない3歳児の場合、どうするか?」「(事例発表にあった)幼児園の受講生から、実際ピアノに興味を持って本部へ入会する子はいるか?」「まだ小さくて家にピアノがない子でも音符ビッツを学習し始めることは可能か?」など具体的な質問が寄せられました。

テーブルごとに感想のシェアを行い、最後は、音符ビッツを使ったヘビッツリレーを実施。会場は盛り上がりを見せ、終了の合図ギリギリまで対戦するテーブルがあちこちで、「遊び感覚で楽しい音符ビッツ」を改めて確認したひとときとなりました。

閉会にあたり、全員で「希望にあふれて」を合唱し、2日間の全日程を無事に終了。多くの刺激と学びを胸に、各自帰路へと向かっていかれたのでした。

ご参加くださったみなさま、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。またお会いしお話を伺える日を、心より楽しみにしております。

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